Gap | 2021

Location : Hyogo
Structure : SE structure
Size : 2 stories
Site area:333.32㎡
Total floor area : 266.31㎡

古くからの閑静な住宅街で、オーナー様が手に入れたのは北側と西側に道路が走り、東と南隣には将来住宅が建つ予定にある100坪の角地であった。建蔽率や容積率、高さ制限などの厳しい制約の下で、複数台駐車できるインナーガレージと、家族5人で暮らす十分な居住面積を確保し、採光と通風、さらにプライバシーを確保した住まいを望まれた。
住宅密集地でもプライバシーを守りながら採光を得るため、敷地北側に建物を寄せ、南側に光を享受できる余白をつくり、北側の建物からやや斜めに交わるボリュームを立ち上げた。この南側に突き出たボリュームを斜めに振ることで、南東側の空間を最大化させ、約6×7メートルのテラス兼光庭が確保でき、内部に最大限の光と視覚的な広がりを生み出すことにつながっている。
1階はガレージとテラス、主寝室、サニタリー空間、2階はLDKと子どもたちのゾーンに高低差を設けてゾーニングした。それぞれは立体対角線上につながり、水平ラインを強調した端正な外観とは大きなギャップを感じる大胆な空間構成になっている。光に満たされた程よいスケール感のリビングダイニングは、ガレージの天井高を低く設定することで、天井高さ3.7mを確保。さらに南東方向に全面ガラスのダイナミックな開口を設けたことで圧倒的な開放感をもたらしている。また、全体の色合いをグレージュでコーディネートすることで、ここに身を置くと心地よい安心感にも包み込まれる。
角度や高さの差が空間に奥行きと変化を与え、家族同士の新しい距離感やコミュニケーションを生み出す唯一無二の邸宅が完成した。